2009年9月25日

4,道塾のスタンス


 最近気になるのはメディアを通じて蒔かれたイメージと、道塾の実像との間に、すこしズレがあるなということ。だから本来は生まれるはずのない非難が生まれたり、あらぬ期待をさせて失望させてしまったりしているのかもしれない。これはメディアに映る僕らが気をつけなければならないことであり、これからはより正確な道塾像を伝えていく努力をしようと思う。

 先にも書いた通り、道塾は「魔法の勉強法」を教える場所ではない。自分で未来を切り拓こうという意志を持った人間を、できる限りの方法で後押しをする場所だ。たまに保護者が子どもを無理に入塾させようとするのを断ることがあるが、これは道塾を誤ったイメージで捉えている最たる例だ。

 僕の知る限り、世の中のどこにも「魔法の勉強法」は存在しないし、同じように「完璧な勉強法」も存在しない。だから道塾で伝えているのは地味な勉強法であり、僕らが最善と考える提案に過ぎない。

 でも、本気で人生を切り拓こうとしている塾生は、道塾のスタッフとの話し合いを活かし、日々の勉強法・生活スタイルを徹底して改善してくる。だから伸びる。そうした受験生を、道塾では力を尽くして応援し続けたいと思っている。

 最近はだいぶ変わってきたが、道塾は元々僕のような落ちこぼれを中心に支えたいという想いではじまったこともあり、偏差値50を超えるような塾生は少数派だった。でも、そうした子であっても、本人の意志次第でトップレベルの受験生と戦えるまでに成長することを道塾は証明してきた。元々ある程度の努力をしてきた子であれば、さらに可能性は広がるだろう。

 「気づいていなかった自分の可能性」を最大限に引き出し、できるだけ高みへと連れて行くこと。高みへ連れて行くというのは単純に高偏差値の大学に入るためだけの指導をするのではなく、己の弱さに打ち克ち、日々努力をすることで自分を高めていく手助けをするということ。

 それが道塾で僕がやりたいことだし、事実行われていることだと思う。道塾の魔法に頼れば変わるんじゃないか、というのは現実とは違う。入塾時の塾長メッセージで「道塾を上手に利用してほしい」と伝えているのは、道塾に「依存」するのではなく、「自立」するために有効に活用してほしいという想いを込めてのことだ。


5,これからの道塾と、僕の想い