2008年6月25日

どうにもこうにも


 昼間、MEGA PEACEの去年のリーダーMLに一通のメールが流れた。

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OT

このMLまだ生きてますよね。

僕は先週から来週まで横浜エリアに営業に出ています。近くて横浜遠くて厚木藤沢ともはや遠足です。一日3時間くらい移動時間があるんですがそのせいかさっきR25の看板見てたら気づいたんです。

驚くなかれ今日はMEGAPEACE1才の誕生日。多分。
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 会議室なんて使わず、夜中の12時から大隈タワー前で車座になって話し合いを重ねた日々。まだ企画の名前すらなくて、「で、結局馬場ちゃんは何をしたいのよ?」と問われて答えに窮してたのが懐かしい。

 12月の本番までの6ヶ月、夢みたいな半年だった。でも、それからの半年もあっという間に過ぎた。いつしか1年が経ってる。あの時に語っていた僕の想いは、どのように実を結び、今はどうなっているのだろう?

 今日、QUNEの裏テラス席で戸塚ちゃん(メガピ2008代表)と話をした。僕が何も残さなかったせいで、今年のメンバーはめちゃめちゃ苦労してる。いつも戸塚ちゃんには怒られ、星野ちゃんには睨まれ、そしてみっちゃんには事務所でため息をつかれる(気がする)。それでも彼女たちは夏のMEGA PEACE vol. 1.5へ向けてラストスパートに入ったみたいだ。

 飄々としていた大坂くんの、思いがけない暖かいメールで気がつかされる最初の一歩。一年経って、また振り出しに戻ってきた気がする。僕はまだ上手く言葉にできない。どうにも今は、すべての言葉が手から滑り落ちていく気がする。すべての表情が、仮面をつけているように感じられる。

 でもとにかく彼ら彼女たちが最後に笑ってほしい。そう心から思ってることだけは真実であってほしいと願う。今年のみんながHappyでありますように!

 【フォト】 竜二&メガピTシャツ!
2008年6月24日

単純明快な言葉


 高校を辞めてネットゲームにのめり込んでいた時期がある。朝から晩まで、それこそ24時間以上やり続けることもザラだった。ゲームの中では勝負に勝つため音速のチャットが必要で、その結果タイピング力が自然と身についた。息抜きに遊ぶe-typingでは、今でもやれば上位1%にランクインする。

 高校時代唯一の遺産といえるタイピング力のおかげで、文章を打ちこむのは苦にならない。けれど欠点もある。僕の文章は、ご存じの通りいつも長い。昨日上げたエントリーをカウントしたら2800字だった。原稿用紙7枚分。自分でも読み返すのがちょっと辛いくらいだ。

 僕が長文を書くのは、書籍にできる量の文章を書くための修行という面が大きい。blogを薦めてる奴がそんな長い文章ばかり書いていたら、新たに書こうとする人も気後れしてしまうに違いない。だいたい文章というのは「いかに削れるか」の勝負だと僕は思っているし、blogはそれに適したメディアだ。だからこれからは意識的に短くして、その代わり更新頻度を上げてみようと思う。
 
 学生は一般に時間の感覚に欠けている。話が長いし、言葉は曖昧で、まとまりが悪い。「想い」が溢れているからだということは僕も分かる。僕が誰よりもそうだったし、今もそうだからだ。でもカミュはこう言った。

 単純明快な言葉だけが世界を救う。

 どこで出会ったかは忘れたけど、これは僕の数少ない文章訓のひとつだ。もっと言葉を鋭く、もっと文章を明快にしていきたい。


 PS.e-typingはなかなか面白いけれど、受験生はほどほどにね。

 【フォト】 清野が9月6日(木)にシンポジウムで語るそうです。場所は江古田の武蔵大学。みんな空けといて観に行こう。参考:日本熊森協会

振りかえる勇気


 6月21日土曜日、WIFことWaseda International Festival 2008に行ってきた。WIFは僕にとってMEGA PEACEの出発点と言える場所だ。WIFの本番前日に、半年後に音楽祭をやろうと決心したんだった。

 今回で3回目となる春のWIF。1回目がこのblogのリンクにもある大原学さん(あんくん)と清野がWIFを立ち上げたWIF2006(ってかみんな写真若いよ。。。)。2回目が、僕自身がスタッフとして参加したWIF2007。そして3回目となる今回、WIF2008。僕は春は毎年見てきたのだけれど、観客→スタッフ→元スタッフという立場の変化が、どう感じ方を変えるのかなと考えながら会場へ向かった。

 春先には至る所で「今回のWIFはやばいんじゃないか」と囁かれているのを耳にした。体制が大幅に変わって、みんな不安だったんだと思う。それだけじゃなく、実際にメンバーの入れ替わりによる空気の変化も大変だったのだろう。ゆっぽんのblogを読んでいても、彼自身が当時の状況に苛立っている様子が窺い知れた。

 それでも彼らは信じて進んできたのだろう。最終日、僕は彼らに最高の笑顔を見せてもらった。

 WIFは「Family」という言葉をよく使う。たしかにその言葉の持つ暖かさのようなものが滲み出ていた。春先のひんやりした感じが嘘みたいに。外からは見えないところで、彼らは加速して熱を帯びていったのだと思う。ここまでリラックスして楽しめたイベントは、もしかしたらはじめてかもしれない。

 本番後のOB会では「WIFが10年続く前祝いで」と初代代表の大原さんが3年目の成功を祝っていたけれど、きっとそうなるだろうなと思わせてくれる1 日だった。僕が振り切ろうとしていたものがWIFにはあった。箱に入れて固く紐で結んで、心の奥にしまっておいたものを、あの舞台は思い出させてくれた。



 昨日、ひさしぶりにMEGA PEACEの練習に行った。来客との話が長引いて着いたのは終了5分前。僕は一曲も歌わないままアフターにだけ参加した。

 練習後のサイゼリヤで、とある女の子が僕の前に座った。去年のメガピを大いに手伝ってもらい、今年も頑張ってる子だ。なんだかいい雰囲気だったみたいだね、と話しかけたのだけれど、意外にも彼女の表情は硬く、口数は少なかった。いつも笑顔を絶やさない彼女にしては珍しいなと思って話を聞くと、その日に起こったいくつかの出来事に戸惑っているようだった。状況がうまく整理できないまま、不安で押しつぶされそうな顔になっていった。わっと泣き出しそうなくらい、彼女は目を赤く腫らしていた。

 そうした顔をする子を幾度となく見てきた。特にMEGA PEACEをやっている時にはたくさんあった。まっすぐで真剣な子ほど思いつめる。

 結局、店員がオーダーを取りに来たり電話がかかってきたりとで、その子としっかり話す時間のないまま終わってしまった。家に帰ってから、彼女のしんどそうな顔が焼き付いて離れなかった。



 おい俺!!!

 こういう時に何かできる男、

 「いい男」になるために、

 生きてきたはずじゃなかったのか!?



 さんざん悩んだ挙句、覚悟を決めて電話した。

 僕はこういう電話は極力しないようにしようと決めていた。自分のことすら満足にできていない自分が、他人のことにかかずらってる余裕なんてない。前を向いて誰よりも速く走り続けていくのが、僕が過去に出会った人々に対してできる一番のことだ。全力で走りはじめたら、トップスピードに限界は設けない。自己ベストを更新し続けることこそ、勝負している証だ。

 そう思って、僕なりにいろいろなものを引きずりながらしゃにむに前へと進んできた。個人でビジネスをやっていく以上、組織の中で生きていく奴より速く走らなきゃいけないと思ってやってきた。もっと生産的になり、たくさんのものを生みださなきゃならない。そのために後ろを振り返らないようにしてきた。たくさんの笑顔があるその場所は、生きるか死ぬかのビジネスの世界に身を置きつつある者にとっては、あまりにも暖かすぎるんだ。

 でも、WIFがくれた熱が僕に振り返る勇気をくれたんだと思う。

 電話口から聞こえる声は、もう既にいろんな人と話して、だいぶ落ち着いているようだった。話しぶりもいつもの彼女だった。僕は安心して、なんとかなるさ、といつものように言ってみた。ありがとう、と彼女は言ってくれた。

 別になんてことはない会話。彼女に何かをしたわけじゃない。でも、少し立ち止まって誰かに想いを馳せて、それを行動に移す。すると、その相手から心からの応答がある。それだけで、人は自分の存在を、他者を通して確認できる。それを彼女は教えてくれた。そういえば彼女とはWIFが縁で出会ったんだった。
 
 WIFを見終えて感じた、忘れちゃいけないものがあるってこと。人と人とのつながり。そこで生まれる暖かさ。それを忘れたら、何のために、誰のために走ってるのか分からなくなる。速く走ろうとしすぎて、僕は危うく転びそうだったのかもしれない。前を向いてるだけじゃ見えないものがある。忘れてしまうものがある。

 知らなかった。一歩踏み出すばかりじゃなくて、振り返るのにも勇気は要るんだ。

 時々は立ち止まって、それまで一緒に歩んできた人たちを振り返る。僕ら全員が同じ方向には歩めないとしても、そうやって見ることのできる笑顔は、生きていく中でかけがえのないものなのだろう。それなしには、僕らはきっと乾き、冷たくなってゆく。

 ありがとう、っていうのは僕のセリフだ。彼女との電話を切った後、僕は久しぶりにうきうきして事務所を出た。スーパーマーケットで酒とつまみを買い込んで、同居人みんなでコテツ君の24歳を祝った。こういう酒は、本当にうまい。



 メガピの練習を終えて学生会館を出る途中、去年のメガピ以来、久しぶりの参加だというある参加者に一日の様子を聞いた。彼は「去年のメガピみたいな暖かい空気っすよ」と言っていた。夕方に「なんか知り合い少ないんで来て下さいよー」と電話をくれた彼は、なんだか楽しそうだった。

 MEGA PEACEはいい感じで滑り始めたいきはじめたんだと思う。しんどいことはたくさんあるだろうけれど、きっとそれは乗り越えていけそうに見えた。7月6,7日、MEGA PEACE vol1.5 。まだまだ募集しているみたいだから、興味ある人は星野ちゃんなり戸塚ちゃんなりみっちゃんなりジョンなりあるいは僕なりに、遠慮なく連絡ください。一歩踏み出せば、きっと何か起こるから。


【フォト1】 下駄っぷ! この日、舞台の上にいたパフォーマーは、びっくりするくらい輝いてた。
【フォト2】 WIFの後、朝までOB会。なんだか寝付けなくて、僕は眠ったふりをして話を聞いてた。
【フォト3】 コテツ君24歳! Happy Birthday!
2008年6月16日

京都から戻って

 学生と言うのが憚られる年齢ながら出席してきた京都での学生首脳会議。何人かの参加者に聞いた話だと、関西でこれほど社会に対する意識の高い学生が集まることはあまりないとのこと。たしかに彼らの物怖じしない姿勢には驚かされた。集まっていた約200人の学生たち、雰囲気からして優秀そうでもあった。なにより関西はさすがに「笑い」のレベルが高かった。いやもう、高すぎるよ。

 イベントの最中、積極的にマイクを握ったのもあってか、その後の懇親会ではたくさんの人が声をかけてくれた。驚いたのは、僕と彼らとの間に共通の知人が少なからずいたこと。ビジネスコンテストの経験者が多くて、KING代表だった稲着や、栗山くんの話題で盛り上がった。同じ匂いを持ってる奴らが寄ってきていたのだろう。

 新しく人と話すたび「で、何をやってる人なんですか?」と聞かれる。僕は「所属の壁を超える」というコンセプトではじめたMEGA PEACEを踏まえて、「若者の間にある東と西の壁を越える、第一歩として今日は来たんだ」ということを語っていた。

 彼らの質問ひとつひとつに全力で応えていたら、2時間の懇親会はあっという間に終わってしまった。携えていった30枚の名刺はすぐになくなり、途中から本やメモの切れ端に連絡先を書いて渡すほどだった。少なからぬ人の心のフックに引っかかることができたという手応えはあった。

 でも実際のところ、あの短時間で僕の想いは、ほんのわずかしか伝わらなかっただろう。

 自分自身が何者であるのかを、限られた時間の中で伝えるのは難しい。多くの人と話した分だけ、一人と話せる時間は減ってしまう。5分や10分で伝えられるのは、せいぜい自分と波長があうか否かといったところまで。それから先は、よほどのことがない限り「また機会があれば」ということになる。でも現実には自分のことで日々精一杯の僕らが、その「また」という機会を実現することはあまりない。

 「面白い」と思ってもらえたとしても、その場限りで終わってしまってしまう。ある瞬間に盛り上がったとしても、その後に続かないと残るのは寂しさだけだ。それを繰り返すうちに、一歩踏み出すことが億劫になっていく。踏み出しやすい場所でだけ勝負をするようになっていく。そういう傾向が、今までは確かにあった。

 でも、今回は違った。

 「『午後2時』かフルネームで検索してくれれば出てくる。そこに僕の伝えたいことが、断片的にだけれど書いてある。よかったら見てほしい」 踏み出すことを臆さず、そう言い続けることができた。わずかな時間しか話していなくても、その一言からいまこの記事を読んでくれている人もいると思う。

 このblogはお遊びで書いてるんじゃない。ひとつひとつの記事に、その時々の想いを込めている。文章という手段では伝えられるものに限りがあるにせよ、できるだけ読んでくれる人の心に届けと願い書いている。

 全力でやってる分だけ、上手く書けない日はしんどい。かっこいいことばかり書けるわけもないから、読み返して落ち込むこともある。なにより、誤解された形で伝わるのがいちばん辛い。

 それでもなお。

 たった一言、blogのタイトルを添えるだけで僕の想いが伝わるかもしれないのなら、たとえリスクを背負ってでも、もっと踏み出さなきゃならないだろう。踏み出し続ける道の過程では傷つくこともあるけれど、その分だけ歓びも生まれる。自分の想いが、誰かの心と響き合う歓びだ。その歓びのためになら、たとえ這ってでも前に進もうと僕は思っている。

 夜行一本で行ける距離なのに、僕は関西のことを何も知らなかった。こうしてすこし踏み出してみるだけで違う世界が見えてくる。どこに繋がるのかはまだ分からないが、とにかくまた一歩踏み出してよかった。僕を暖かく迎え入れてくれた人たちに感謝したい。


 このblogは僕の踏み出し続けた日々の記録だ。内容はもちろんのこと、本気で書くという行為自体が僕なりの踏み出し方だと思ってる。これからも僕は一歩ずつ踏み出していくことを続けるだろう。この歓びを知ったからには、どれだけ転んでも、もはや歩みを止めることはない。


 【フォト1】今月の15日でうるとらカフェ5周年! 僕やジョンが入学した年にできたこのお店、まさか5周年を祝えるとは想像してなかったけれど・・・。笑 今や金城庵と並んで、道塾スタッフの昼会議でいちばん使うお店。

 【フォト2】うるとらのスタッフの、気さくで元気なおふたり。左が店長の菊地さんで、僕がよく食べるのは彼の名前の入った「キクチーズ」。MEGA PEACEの展示で使わせてもらったのをはじめ、いつもお世話になっています。

 【フォト3】ご飯を食べたらもらえるマグカップ(たぶん明日までの限定)。早速使わせてもらってます。ちなみに明日までビールも300円。奇跡。

うるとらリンク:うるとらカフェ情報スタッフblog
2008年6月14日

京都にて

 昨日の夜、新宿駅から夜行バスに乗って西へ向かった。高速道路を単調に走り続けるバスは妙に目が冴え、いつも到着間際になってようやく眠気がやってくる。

 このところ今ひとつ調子が出ない日々が続いていた。このblogも、1ヶ月くらい前にはじめた読書メモのblogも更新していなかった。年初から張りつめていた糸が緩んだのか、仕事の抱えすぎで力が分散してしまったのか。世一の言う「うにうに」という状態なのかもしれないと思ったりもした。

 けれど、留まるのはもういい加減やめにしよう。それは大学のはじめの4年間でやり尽くしたはずだ。バスのシートに身をもたせ、自分に言い聞かせる。ようやく僕は走りはじめたんだ。もう決してあそこに戻るわけにはいかない。


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 昨日の夕方、ある人からmixiを通してメッセージが届いた。「最近自分が冷めてて熱をもらいたいから飲みいこう」という内容だった。僕は友人のmixiやblogはすべて読んでいる。だからしばらく会っていなくても、彼が苦しんでいるのは知っていた。電話をかけると、すぐ駒場から早稲田まで来てくれることになった。僕は事務所で待った。

 彼と会うのは3,4年ぶりだった。前に会ったのは、たしか大学2年の時だ。あの頃は東大の理系に在籍していたが、今はロースクールで法律を学んでいた。

 今まで僕が出会ってきた人々の中でも、彼は飛びぬけて優秀な存在だと思う。普通にやってれば超一流の外資系コンサルあたりにさくっと入りそうな雰囲気。頭は切れて、行動力もある。人当たりもよく、かつ社会に貢献したいという意思まである。パーフェクトに思える男が、たとえ苦しむことがあるにせよ、僕に声をかけることに驚いた。

 彼はすぐにやってきた。せっかく声をかけてくれた彼に、僕が伝えられるものがなきゃいけない。そう思いながら、大隈講堂で、わっしょいで、Outsider7.7でと、場所を変え酒を変え飲み続けた。

 「絶不調でさ、元気を分けてもらいに来たんだよ」と彼は言った。それは事実なのだろう。mixiを読み、彼の話を聞けば、状況は分かる。

 僕はblogで「勝負し続けている」と語ったばかりだった。自分が伝えるべき熱を持つべきだと思っていた。そういう見栄もあって、僕は構えすぎていたのかもしれない。久しぶりに会ったという以上に、僕らの会話はぎこちなかった。

 絶不調だと語る彼は、しかし日々の生活において自分のスタイルを貫いていた。彼の目も死んではいなかった。約束されていた道を自ら離れ、踏み込んだ険しい道を苦しみながらも走り続けていた。彼はこともなげに言った。「やると決めたことはやる。それを取ったら俺には何も残らないからね」

 彼の言葉に全力でまっすぐに返す力は、今の僕の中にはなかった。

 「絶好調で、勝負し続けている」と語る僕の目は、濁りかけていたのだろう。これほどまっすぐに走っている時もなかっただろうと思っていた僕は、いつしかスタイルを失っていた。時間にも仲間にもチャンスにも恵まれているのに、しかし全力で走ってはいなかった。


 高速バスが休憩所で止まる頃には酔いも醒めていた。

 すこし落ち着いて自分に問う。あれだけ苦しんでいる彼が必死で走ろうとしているのに、勝負し続けていると語る俺は、いったい何をやっているんだ?

 話がぎこちなかったのは、彼が求めているものが実は彼にあり、僕が伝えようとしているものが実は僕の中にない、ということだったと思い至った。

 そう思うと情けなくて恥ずかしくて悔しくて、高速道路の休憩所のベンチで僕は叫んでいた。


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 昔より、少しずつ強くなっているのだと思う。耐える力がついたのだと思う。叫べば、翌朝には立ち直れる。

 少し前のエントリー(「ギークとスーツと想像力」)で「東のWASEDA・西のKYOTO」と書いた。いま、その京都にいる。目的は学生首脳会議なるものに出席するため。ウェブを通じて縁が生まれ、この団体の主宰者の方に声をかけていただいた。すこし遠いけれど、あえて一歩踏み出す。

 夜行バスを降りて鴨川を歩いて、四条河原町のネットカフェにたどり着いた。雨じゃないといいなと思っていたら、半袖ジーンズにサンダルじゃ寒いくらい、からりと気持ちのいい朝だった。シャワーを浴びて、この文章を書きえて、午前11時。そろそろ開場の時間だ。すこし鴨川を散歩したあと、ちょっくら暴れてこよう。


【フォト1】 鴨川
【フォト2】 高瀬川