2010年8月13日

学べ、学べ、ひたすら学べ。

ブログを書いていないのは怠慢のせいだ。

が、この数カ月はそれだけじゃなく、目の前により優先すべきことがあったのも事実だ。文章を書く作業は結構な時間と意識のリソースを消費するから、それなりの目的がないと続けるのは難しい。道塾の「塾報」で週1回、数百字の文章を書いているのを除けば、今年はほとんど文章らしい文章を書いていない。ひたすら文章を書いていた去年とは雲泥の差だ。

振り返るとこの数カ月はインプットの時期だったのだと思う。数カ月前の自分の文章を読むだけでも過去の自分の浅はかさに愕然とする。道塾の塾生は素晴らしいスピードで成長していると思うけれど、正直言って僕もそれに負けないスピードで成長していると感じる。あと数カ月すれば27歳になる男がそこまで言える環境に身を置けている幸福に感謝せずにはいられない。

つい数時間前、昨年の明治大学の学園祭実行委員長だったTから久しぶりに電話があった。携帯に「大阪浪人生」と表示され、あいつとは道塾を立ち上げる前からの付き合いだったのを思い出した。皆が羨む大手を二社蹴って、道塾より少し大きいくらいのベンチャーに行くという。既に内定先でバイトをはじめていて「僕は会社の営業記録を破ってみせますよ」と語っていた。

素晴らしく成長したTに言うことはほとんどなかったけれど、ひとつだけ。本を読むことだけは忘れるなよ。社会に出れば、人から学ぶか、本から学ぶか。基本的にはこの二つしかない。どんな会社であれ、営業記録を破るなら毎日15時間くらい働くことになるだろう。そうなると付き合う人は限られてくるから、必然的に隙間時間に学べる読書が基本になる。

こんなことは人に言われなくてもやるべきだ。少なくとも本気でこの世界で何事かを成し遂げようと願うのであれば、それくらいのことは当たり前に身に付けていなければ道は切り拓かれない。たとえばウチの教務統括は、そんなことを一言も言わずに、そんなそぶりも見せずに、ひたすら学び続けている。

だが僕は一応「塾長」だし、性格的に説教を垂れても許されると思ってあえて言おう。学生という時間が残されているのなら最低でも毎日一冊の本を読むこと。そうやって学べ。学べ。ひたすら学べ。

大切なのは自分の価値観を築きあげること。小手先の技術や仕事術なんかは、社会に出ればいくらでも身に付けられる。でも自分がどう生きたいのかという問いを、時間を気にせずに考えられるのは学生の時だけだ。そうやって学んだことこそが生きるための、あるいは生涯かけて学び続けるための、最も根源的なエネルギーになる。

それだけの知性と自由と時間を与えられているのにもかかわらず、それをしないで生きるのは、誤解を恐れずに言えば犯罪的だとさえ僕は思う。「どんな本を読めばいいのですか」とよく聞かれるのだけれど、それは愚問だ。自分が読みたい本を読めばいい。自分の心の声をよく聞いて、ひたすら読み続けていけば読むべき本とは必ず出会える。人の価値観や評価に騙されないこと。僕も学生時代はそうやって遠回りをした(それもいい経験だったが)。

「21世紀に学びを解き放ち、誰もが道を切り拓ける時代を創造する」

今は道塾はお盆休みだけれど、このビジョンを実現する楽しみと比べたら休暇というのは退屈で仕方ない。今年受験の塾生はまさに今、山場を迎えているだろう。もし君が塾生ならば、この一瞬に頑張れるかどうかに君の未来がかかっていることをいつも思い起こそう。いつだって、人生はこの一瞬しかない。そこに全力を込めよう。振り返って後で後悔しないように生きよう。僕も事あるごとに自分に言い聞かせている。

さて、道塾のお盆休みもあと数日。2010年度の後半戦に向けて今しばらく準備してくるよ。