2008年10月18日

No.1になること、Only oneになること(3/3)

 No.1になること、Only oneになること(3/3)

 大学受験にはゴールがある。だから、道を指し示し、手っ取り早くスピードをあげてやりさえすればいい。それは僕が「道塾」でやっていることだ。でも、そうした競争は大学受験まででひとまず終わりにすべきだろう。点数やスピードにばかりこだわっていても、偏差値教育、No.1を取ることへのこだわりから抜けきれない。

 何度も書いてきたように、No.1になっても幸せにはなれない。幸せの解は、人の数だけ存在するのだ。幸福度が年収と比例するという調査結果がある。でも、だからって自分がNo.1であれば幸せなのかは、別の話だ。幸福に「答え」はないのだ。自分で問いを作り、答え、それが正しかったのかどうかを検証できるのは自分だけだ。

 No.1 に近い場所に行けば行くほど、競争は熾烈になる。その勝負で勝ち残れる人間は、ごく一握りであって、どんなに強い人間でもどこかで折り返し地点を曲がる。その競争の中で、自分にとって本当に大切だったものを、脇にどけてしまうことがある。そんな後悔だけはしたくないと思いながら、僕自身がそうなりそうな恐怖も感じる。

 Only oneとしての生き方にこだわりながら、その中でNo.1になる努力を続けること。その寄り添いの間にこそ、僕の目指す生き方があるように思っている。


 【フォト】 塩原先生@家学。