2008年12月12日

スピードが上がれば、バランスを失う

 スピードを上げれば、その分だけバランスを崩しやすくなる。自転車や、スキーを想像してみればすぐに分かる。ハンドルの制御がきかなくなる。足下がぐらついてくる。最近すこし調子が回復してきて、ようやく自分の不安定さに真正面から向き合えるようになった。調子が悪い時は日々を乗り越えるのに精一杯で、そんなことを考えることすらできない。

 僕は、これからスピードを上げ続けていくだろう。正直なところ、スピードを上げること自体はさほど難しくないと思う。大変なのは、上がったスピードをコントロールすること。斜面を下り始めれば自然とスピードは上がるが、しかしそれをコントロールするのには類い希な技術が必要なのだ。

 これは覚えておくべき事実だと思う。スピートが上がれば、コントロールは効かなくなる。それを忘れるとスピード狂になり、いつか自滅するだろう。だから、スピードが上がりはじめたら、ぶれるハンドルを、ぐらつく足下を、どう制御するかが何より大切になるのだ。

 僕自身はスピードが自然と加速する状態までは達していない。だからスピードを上げることにも意識を注がなければならない。でも、その一方でスピードをコントロールし、自分のバランスを取りたいとも思う。だが、どちらも同時にできるほど今の僕は器用じゃない。

 だからバランスを犠牲にする。それは仕方ない選択なのだが、足元がぐらつく状態は走っていてあまりいい気分じゃない。まぁでも、とにかくスピードだけは上げ続けていこうと思う。転んでも立ち上がれば、いつかバランス感覚はついてくるだろうから。僕の願いは、それまで自分の身体が耐えてほしいということだ。


 【フォト】 イルミシリーズ5、ホテルニューオータニ裏。