2008年12月18日

プライドを捨てる

 昔の話。

 僕はずっとプライドが高かった。自分から人に話しかけたりすることはなかったし、弱みや悩みを打ち明けることなんて皆無だった。だから、心から気を許せる友人は長いあいだできなかった。当然のことだ。

 大学に入ってしばらくして、そんな自分のプライドの高さが嫌になった。そのせいで、せっかくの人とのつながりのチャンスを逃しているように思えたからだ。たしか「早稲田への道」を書いていた頃だったと思うが、僕はよく「プライドを捨てる」ことを考えていた。

 プライドを捨てるといっても、先輩にお世辞を言うとか、自分が罵倒されても耐えるとか、そういう話じゃない。大学1年生で言えば、学歴とか、身につけてるモノとか、人と比べるものに関するプライドを捨てるということだ。それを僕は「相対的プライド」と呼んだ。

 人と比べないと言っても、僕は健全な競争は大好きだ。ただ、他の人間と無駄に張り合ったり、なにかで敵わない人間に対して僻んだりすることは減った。相対的プライドを捨てれば捨てるほど自分の身は軽くなった。そして自分が本当にやりたいと思うことに少しずつ近づくことができた。

 なんて偉そうなことを言いながら、まだまだ「相対的プライド」に捕らわれている自分がいる。かっこいい大人は全てのプライドをすて去って、鳥の羽みたいに、精神が自由に動き回っているように思える(そんな人がシュンポシオン横浜に結構いたなぁ・・・)。

 まぁでも僕もまだ25歳。歳を重ねた分だけ、プライドを捨てていければいいかなと思う。色々なモノが自分にひっついてくる最近、久しぶりにそんなことを考えた。

 ところで。

 これを書きながら岡本太郎の「積み減らす」という話を思い出して検索してみたら、上位の二人とも僕の知り合いが出てきて驚いた(シュンポシオンでお会いしたGoTheDistanceさんと、大学の同期で占い師をやってるユピテル)。無限に近いウェブページの中で、まさかこういうつながりが生まれるとはね。


 【フォト】 イルミシリーズ6、赤プリのクリスマス・ツリー。