それぞれ強烈な個性をもって輝いているのだが、彼らは皆一様にどこかで社会からはみ出してしまった部分を抱えながら生きている。そのような同じ世代の奴らのことを、僕らは敬意を込めて「はみ出したチ○カス野郎」、通称「83チン世代」と呼んでいる。去年から「83チン会」と称する集いを開いて飲んだりもした。
その83チンの主要メンバーの一人、塩原正一郎(通称「正ちゃん」)の記事が今日の朝日新聞朝刊に掲載された。きっと日本中の人がこの記事を読んで心を動かされたことと思う。一人の仲間として、ほんとうに嬉しい。
正ちゃんはジョンの中学からの友人で、同じ予備校に通っていた浪人中には一緒に劇団をやったりもした仲らしい。MEGA PEACE vol.1を立ち上げた時に「音楽に詳しいヤツ」ということでジョンが連れてきて、僕は彼とその時に知り合った。メガピでは彼が指揮者として、音楽性だけでなくその人柄でリードしてくれたからこそ、はじめての合唱練習が楽しいものとなったし、後にメガピに人が集まってくるようにもなった。
メガピの音楽総監督のような役割を務めると同時に、みんなの「パパ」として慕われていた正ちゃん。ただ、今回新聞に載ったような活動を知る人は少ないんじゃないだろうか。僕は、道塾や東京家学のことで彼に相談をしたり、手伝ってもらったりする中で、彼が音楽好きなダンディズム溢れる素敵な男というのを超えた、素晴らしい教育者だということを知った。
人の役に立つため。勉強の支えになるため。格好良い理由ならいくらでも言える。でも、どこか、違う。
子どもたちにとって、手助けする大人が自分である必要は、多分ない。それでも、子どもたちにかかわりたいと思う気持ち。
最近、ぴったりくる言葉をようやく見つけた。
「君と、一緒に居させてほしいんだ」2008年2月26日 朝日新聞朝刊(38) 「やがて・・・・・・春。」より
不登校の子を親身になって支える。一人で悩んでいる受験生の相談に乗ってやる。外国人の子どもたちの勉強を教えてやる・・・。どれもほとんどボランティアのようにしてやっているのに、それを誰かに誇ることも、語ることすらもしない。彼は、簡単に「教育再建」という言葉を口にするような僕なんかが手も届かない、本物の教育者だと思う。
誰にも言わずに、ただひたすらに自分の目の前の子どもたちを見つめてきた正ちゃん。その人の目につかない地道な活動がこうして新聞に載ることは、きっと同じような活動をしている人たちへの励ましになるだろう。こうやって素敵な83チンがたくさん世に出て、太陽のように人々の心を暖めていくといいなと思う。
3 Comment:
ここからは余談で。
本物の教育者も、親には弱い。
「あんた、自分のことはどうすんの?」。塩原さんは、自分の母親によく言われた。実は、学校に行ってないのは自分も同じだった。
教育に携わる留年生が、揃って言われる痛いところだ。笑
でも、ようやく彼は中学校の社会科教師を目指して就職活動をできるところまできた。ただ、予備校で先生をやり過ぎて6年生であることや、教職免許のいくつかの要素が少ないこともあってか、なかなか採用に至っていない。こんなに素敵な人材がまだ余ってるのに。ほんと、この国の教職の採用担当者はどこを見てるんだと言いたくなる。
この記事が多くの人を励ますと同時に、彼にとっても人生の励ましになるといいのだけれども。
しょうちゃんがこういう形で新聞に載ることは本当に嬉しいし、誇りだよね。
いかん、涙出そう…。
馬場ちゃん、みっちゃん、道塾のみんな
どうも、ありがとう。いやー原田記者の腕も凄いけど、馬場ちゃんもやるねぇw
かつて僕が塾で教えていた(当時中3で現在高3)の生徒が、この「午後2時のビール」で僕の記事のことを知ったらしく連絡くれました。浪人の決まった彼にも、今度会ってやってくださいな。
重ね重ねですが、どうもありがとう。
コメントを投稿