2008年11月18日

適切な大きさの問題(1)

 梅田望夫と糸井重里と岩田聡が対談している記事が「ほぼ日」に上がり続けている。そこで交わされる「そうですね」という瞬間的な応答を目で追っても、その「感覚」を理解するのに最低でも1秒くらいかかる。そんな自分の「遅さ」が悔しいが、おそらく、この短い対談の裏には膨大な思考の積み重ねがあるのだろう。それくらい内容のギュッと詰まった対談だ。

 ちょうど今日の更新が、この対談のタイトルでもある「適切な大きさの問題さえ生まれれば、問題は自然と解決する。」という4本目の記事。ちなみにこの元になっているのは梅田望夫とRuby開発者のまつもとゆきひろとの対談で、それについて梅田望夫が書いてるのがこの文章

 梅田望夫が「オープンソース」の世界をもとに語るため、その点ばかりがクローズアップされがちだが、糸井重里が「うちでもそうだもん」と言い、岩田聡が「ほぼ日もそういう構造ですからね」と言うように、もはやこれはITの世界だけにとどまらない。梅田望夫自身、「人を率いて何かを成し遂げようとする私たちのすべての行為に通用する普遍性を帯びている」と述べている。

 未来学者たちは20世紀を覆った金銭的な資本主義から、21世紀は社会貢献的な資本主義へ移っていくと主張する。巷では「心の時代だ」とも言われる。実際、僕の周りを見渡しても、「出世や年収よりも、やりがいを求めたい」という人間が多い。金や地位や名誉が優先された時代が終わり、個人が自らの幸福を考えながら追求できるようになった時代なのだと思う。

 最近、そういう時代における自分のふるまい方について考えることが多くなった。そんな時、僕に与えられた役割は適切なサイズの問題を切り出すことであり、それはもはや使命だとすら感じられる。昨夜も道塾スタッフの三井とこの話をしていたのだが、これについて書きはじめると長くなりそうなので、また明日。