2008年11月20日

問題は自然と解決する。 -- 適切な大きさの問題(3) 

 「適切な大きさの問題さえ生まれれば、問題は自然と解決する」という言葉に沿って、昨日はその前半部分について思うことを書いた。今日は後半部分の「問題は自然と解決する」について。キーワードは「自然」ということ。

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 僕が「問題は自然と解決する」空間に身を置いたのはMEGA PEACE vol.1がはじめてだった。その頃の僕が感じていたことが約1年前に書いたblogに残っている。

 いま俺が代表を務めている企画「MEGA PEACE」。

 どうしようもない俺にも関わらず、
 周りには素晴らしい仲間たちが集まってきてくれて
 ようやくそれが上手く噛み合いはじめた気がする!

 なぜだか、奇跡の起こる前夜のように思えてきた。


 これを書いたのは「問題が自然と解決する」よりずっと前。まだ解決するかどうかも分からなかった時だ。でも、この文章には祈りと確信の入り混じった不思議な興奮が息づいている。当時の僕は、確かに解決される予兆を感じているように思える。「奇跡の起こる前夜」にはこうした興奮が必ず混じるのかもしれない。

 残り日数はあとわずか45日くらいしかなくて、やばい。
 ほんとうに1000なんて人数が集まるのかと、時に不安になる。
 でも俺は昨日、ふるえるくらいにわくわくしてしまった。

 俺は人の上に立つという経験をしたことがなかった。
 物事を進めるときは、その傍にいつも自分がいて作業していた。
 でも今回は見えないところで色々なことが進んでいて、
 それが当たり前のように行われている。

 ものすごく不思議だけれど、とんでもなく素敵だ。
 これがチームワークというか、
 全員でひとつのゴールを目指して創り上げるということなのか、
 そう感じて、俺の心に火がついた。燃えてきた。
 たぶん今それがMEGA PEACEの至るところで起こっている。
 この熱に、いろんな人が集まってきてほしいと思う。


 適切な大きさの問題が切り出されると、「見えないところで色々なことが進」みはじめる。「それが当たり前のように行われ」るようになる。最初に動き出したひとりの個人的な意思を超え、うねりとなり、巨大な流れとなって、ひとりでは到底立ち向かえなかった大きな問題を解決するに至る。

 僕が昔書いたように「全員でひとつのゴールを目指して」いたかどうか、今となっては分からない。でもその後僕がほとんど何をすることもなくMEGA PEACEは本番へ向けて自然と加速していった。おそらく、いくつかの条件さえ揃えば、切り出された「大きな問題」は数多くの「適切な大きさの問題」に分けられ、ウェブもリアルも関係なく「自然と」解決に向かうのだ。

 僕がひとりではじめた小さなビジネスは、もはや僕の個人的な意思を超えつつある。この小さな歯車の回転は、やがて小さくない変化を引き起こすだろう。いつか日本を、もしかすれば世界を、すこし変えることになるのかもしれない。大袈裟にすぎる表現だと思うだろうが、そんな予感を今また確かに感じているのだ。祈りと確信の入り混じった興奮を抑えながら、僕は今日もそっと投稿ボタンを押す。


 ※「いくつかの条件」について:前提になるのは1「適切な大きさの問題」。ウェブならこれだけで物事が進むのかもしれないが、2「社会貢献の意識=志」があった方がより勢いが強まる。その上で、物理的制約が大きいリアル社会で物事を動かすためには3「一定の資本」が不可欠だ。大切なのは、この3つの方向性をバラバラにしないこと。問題(ソーシャル・イシュー)と志と資本の方向性を重ねることを経営戦略の言葉で「戦略的(Strategic) CSR」と言い、現代の経営の神様M・ポーターはこれで2006年にHBR論文大賞(マッキンゼー賞)を受けている(と僕は勝手に解釈している)。この戦略的CSRを軸に事業を展開していくことが、絶対に欠かせない第一条件だと思っている。

 【フォト】 先日平山ビルで行われた、竜二25歳の誕生日パーティーにて(左手に持っているのは同居人イノから教わった韓国風の誕生日祝いで、その場にいる全員分の「愛」をこめて作る飲み物。ひとりひとつ好きな物を入れて---僕は優しいので歯磨き粉だが---当人はそれを飲み干さないといけない)